episode6〜長い一週間〜

その日からの一週間はすごく長く感じた。

 

こどもたちを保育園に送り出すためだけに体を起こし、迎えに行ってご飯を食べさせてお風呂に入れるところまでは平然を装ってできた。

 

でもそれ以外の時間は「無」だった。

 

誰とも話したくなかった。

何もしたくなかった。

 

なんなら化粧すらしなかった。

 

それには長女が1番ビックリしていた。「ママなんで綺麗にしないの?」

「ちょっとしんどいねん。」

「お仕事行かなくて大丈夫?」

「元気になったら行くからね、大丈夫だよ」

 

まだこどもたちには話せなかった。

こんな悲しい話をできる気がしなかった。

 

出血は続いていた。茶色かったり、真っ赤になることもあったが、大量に出ることはなく、ずっと一定量が出続けていた。

 

先生から「急に大量に出血しはじめたら、もう進行流産やから自然と出てくるからね。その時はとりあえず何時でも電話してきなさい。もうその時はみるだけになると思うけど」と言われていた。

 

トイレに行くたび出血をみるのが怖かった。

もしそうなった時、自分がどうなるか想像もつかなかった。

 

パパの存在が本当にありがたかった。

何も言わないけど、早く帰るようにしてくれてること。こどもたちのお風呂や洗濯など家事もテキパキ手伝ってくれて、何となくいつも私を気にしてくれているように感じた。

 

私は幸せだ。優しい旦那さんと可愛い2人の娘にも恵まれて。3人目が欲しいなんて、贅沢な悩みだと思われるだろう。 

 

それでも私のお腹にきてくれた命と、お別れしないといけないかもしれないという現実は、なかなか受け入れられなかった。